クリスマス寒波で大雪の山口路-復興祈願のSLクリスマス号-
12月20日から21日、この冬一番の寒波がやってきました。21日は西日本でも雪の予報となり、大変厳しい天候が予想されるものの、山口県を走るJR山口線ではSLクリスマス号が運転され、沿線は熱気に包まれました。
こちらは新山口駅です。冷たい雨の降りしきる中「ありがとうSLやまぐち号」の横断幕が掲げられていました。隣の駅名表示板は、SLを意識して古い形式のものとなっていますが、駅名は小郡。以前ここは小郡駅という駅名でしたが、2003年に新山口駅と改称されました。
ホームには山口県のゆるキャラ、「ちょるる」もサンタさんで登場。
そして発車25分前。ホームにSLやまぐち号の客車が推進運転で入線です。客車は今回は短めの3両で、一番後ろが展望車風の「オハフ13 701」、真ん中が明治風の「スハフ12 702」、先頭が大正風の「オハ12 703」となっていました。
そして、客車を押して来たのは、こちら。ディーゼル機関車の「DD51 1043」です。今回はこのまま補機としてSLをサポート。SLとDLの重連での運転。ホーム上ではSLだけでは力不足なのかな、という声も聞かれましたが、本来のSL山口号は貴婦人との愛称でも親しまれる「C57 1」単独での運転が基本となっています。
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そして、ホームの向こうに、いよいよSLが。
機関士もサンタさん姿。「C56 160」の登場です。C56はポニーとも呼ばれた小型の蒸気機関車で「C57 1」が検査などで牽引できない時に代役で登場。そのため、今回はディーゼル機関車が補助している訳ですね。
SLの人気は抜群。ホーム上は人・人・人。盛んに汽笛を鳴らし、蒸気を出して、場を盛り上げます。
びっしりとホームを埋め尽くす人で、思うように近付けません。
サンタ姿の機関士さんも大人気。
客車もシックで、昔の鉄道旅行のような雰囲気です。
着物姿の人もいて、場を引き立てます。
記念品なども配られて、SL運転で賑わう新山口駅でした。
で終わりではなくて、一路津和野へ出発です・・・と言いたいところですが、現在山口線は地福-津和野が7月に発生した豪雨災害のため不通に。今回のSLクリスマス号も、津和野駅ではなく、途中の地福駅までの運転となっています。写真はSL弁当と、ホームで着物姿の女性の方が配っていた記念品。
地域の熱意で、途中駅までながら特別に復活運転が決まり、11月に続けて今回が2回目の運転となりました。
という訳で10時48分、一路「地福駅」へ向けて出発です。
11時4分、湯田温泉駅に到着。ホーム上では雨の中、歓迎の出迎えの人々が待っていました。
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窓を開け、手を振り合いながら、出発です。
湯田温泉のゆるキャラ、ゆう太くんが、走りながら別れを惜しんでくれました。
そして列車は11時9分、県都山口駅に到着。ホームでは熱烈な歓迎隊の皆さんが待ってくれていました。「おいでませ山口・がんばろうSL」と書かれた旗を振って、大変な人数での出迎えです。
車内の人々にも持っていた旗や、かぶっていた(紙の)帽子などが振る舞われ、大変な歓迎を受けた山口駅を出ると、車内ではサンタさんの姿をした地元の学生さんたちが、手作りクッキーと一緒に記念品などを配布。
雨は次第に雪に変わり、11時24分仁保駅に到着です。
7分ほど停車して、ここで勾配に備えて石炭、水を補給。待ち時間の間にも記念撮影の人々でホームは大変な混雑です。
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山は次第に深くなり、完全な雪景色に変わりました。SLクリスマス号の名にふさわしいような本格的な雪です。ここまで激しい雪は、この地域でも珍しいかも知れません・・・12時ちょうどに長門峡を出発。沿線紹介の車内アナウンスが入りますが、最後に、「ここ長門峡はSLの撮影場所としても大変有名で、沿線には大変多くの人々がカメラを構えて立ち並んでいます。ぜひ、そちらもご覧下さい」と締めくくり、笑いを誘っていました。
アナウンス通り、雪の中、沿線を埋め尽くすかのような大変な数のカメラマンを両車窓に見て、SLの旅はラストスパート。12時14分、雪の降り続く地福駅に到着しました。
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ここから先は、現在も不通のまま。。。鉄道で津和野へ行くことは出来ません。
しかし、本日は鉄道代行バスとは別に、SL乗車の方限定の津和野散策の特別バスを無料で運転。臨時バスが出発を待っていました。車内ではパンフレットに加え、津和野観光に使えるクーポン券1,000円分などが配られましたが・・・
こちらは道の駅「願成就温泉」です。津和野手前の国道9号が、大型車のスリップによる事故のため不通となり、雪の中、まさかの足止め・・・復旧のうわさが流れたため迂回せずにここまで来たものの、通行止めは解除されず、道の駅で待機となってしまいました。
1時間近く待ちましたが、復旧せず、結局、津和野行きは中止。バスは地福駅に引き返すことに決定。津和野から益田方面へ向かう人々は、同じく待機中の鉄道代行バスに乗り換えて復旧を待つことになりました。地福駅からは山口方面の鉄道とは別に、萩方面にも臨時のバス便が運転され、大きな混乱はなかったようです。
雪に強い鉄道であれば、このようなトラブルはないと思われ、津和野への復旧が待ち遠しい出来事となりました。
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津和野の町にたどりつくことは出来ませんでしたが、大雪の中、暖かい沿線の出迎えと力強いSLの音に、一日も早い復旧を祈らずにはいられない、SLクリスマス号の旅でした。
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