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2013年10月 3日 (木曜日)

姫路市内に弧を描く幻の新幹線ルート-加古川から新姫路駅へ-【第八章】

足掛け1年以上にわたって調査を進めている、戦前の高速鉄道、弾丸列車構想。前回までの調査で大阪から神戸市内通過のルートについては、その概要が浮かび上がってきました。東海道新幹線の原型となり、歴史的経緯から山陽新幹線としては使用されずに放棄された幻の高速鉄道計画を追って。第七章(検証編)からの続きです。

★↓地図をクリックすると、拡大表示します↓★

001p1

こちらは、今回の舞台となる姫路市付近の概略図(図1)です。弾丸列車用地を利用して建設された加古川バイパスの他、新姫路駅建設予定地として、国鉄の播但線飾磨港支線(1986年(昭和61年)廃止)の亀山駅付近が想定されていたと伝えられています。

★↓飾磨港支線の廃線跡については、下記をどうぞ↓★

市街地に残る鉄の道-姫路市・飾磨港線-(2011年訪問)

それでは、それ以外の情報をまとめてみましょう。

まず川島令三氏は、その著作「山陽・九州新幹線ライン」(講談社)の中で、姫路市内の弾丸列車ルートを、現在の加古川バイパス、姫路バイパスとし、やはり播但線の亀山駅付近を新姫路駅建設予定地として紹介しています。以下、引用しておきます。

姫路手前の御着駅付近で山陽線の南側に抜けると、しばらく西方向に直進。現在の山陽電鉄の亀山駅周辺に新姫路駅の設置が予定されていた。当時は播但線の支線・飾磨港線にも亀山駅があり、ここで在来線と連絡することが想定されていた。そのルートは現在の国道2号線パイパスそのものである。新姫路駅からは山陽線の南側を通る。

一方、森口誠之氏は、その著書「鉄道未成線を歩く-国鉄編-」(JTBキャンブックス)の中で、御着駅から約2kmの徳応寺周辺に、弾丸列車建設の用地買収地が点在していると、現地調査結果を記しています。そして新姫路駅予定地としてはAコープ玉手店周辺を紹介しています。こちらも、以下引用しておきます。

この先、高砂市阿弥陀町の弾丸列車用地を確認することはできなかったが、御着駅の2kmほど西側にある徳応寺付近には買収地が点在している。弾丸列車の敷地があったことを明確に覚えている方もいらっしゃった。(中略)・・・姫路市南条、播但線亀山駅を経由し、英賀保駅に程近い飾磨区今在家に向かうはずだった。新・姫路駅用地としては、県道414号と418号が交差する玉手交差点が予定されており、実際に測量も行っていた。この付近では車両基地分の土地が確保されていたようだ。

特に森口氏の本では、徳応寺付近の買収地について、東阿保チビッコ広場など、3ヶ所が実例として紹介されており、これは現地調査の結果として信憑性は非常に高いと言えます。川島氏の国道2号線バイパスという表現と、この買収地は離れた位置関係となっていますが、川島氏も森口氏も御着駅付近で山陽線の南側へ抜け、飾磨港線亀山駅跡地付近を通過する点では一致しており、新姫路駅の予定地に関する記述に少し差異が見られる他は、大きな違いはありません。

160819

出典・神戸大学附属図書館デジタルアーカイブ「新聞記事文庫」
(所蔵・神戸大学経済経営研究所 新聞記事文庫)

そして当時の新聞記事ですが、姫路市周辺に関しては具体的な記述は少なく、第六章でも紹介した昭和16年8月19日の大阪毎日新聞の記述がある程度。姫路付近のみを、もう一度紹介しておくと、下記のようになります。

・・・現在の山陽線に沿って土山、加古川等の北方を西に向い、別所付近から路線を南に越し姫路市に入って、現在の姫路駅、飾磨駅、広畑三者の描く三角地点の中心付近に新姫路駅を造る予定となっている。

こちらでは、御着駅付近ではなく別所付近からと地名が明記されています。また、新姫路駅は「姫路駅、飾磨駅、広畑三者の描く三角地点の中心付近」と書かれており、こちらの表現は森口氏の記述と一致するようにも読めます。

★↓地図をクリックすると、拡大表示します↓★

001p2

そして、情報を全てまとめた図がこちら(図2)です。図中の1番と2番が森口氏が現地調査した徳応寺付近の買収地点。1番が東阿保チビッコ広場、2番が阿保橋南側の市道付近の位置です。そして3番が玉手交差点。1番から3番は一直線上に分布しており、ちょうどその線上に亀山駅跡が入ります。そしてそのまま東に線を伸ばすと、ちょうど御着駅付近を通過。新聞記事の記述にあった別所付近はもう少し東側となります。そして図を見る限り、姫路バイパスは弾丸列車構想ルートとは無関係と言えそう。そして、曽根駅付近から御着駅付近の通過ルートが確定できない他は、ほぼ判明状態であることも分かります。

いえ実は、現地の状況を調査する以前に、この図を見ているだけでも加古川から姫路市内の弾丸列車ルートは、ある1つの推定が可能と言えるのです。それは一体どういう推定なのか・・それを示す鍵は、下図の通り。

Naisetsu1a1

??・・・これは?

そう数学、2本の直線に接する円の描き方の問題です。これは図の貼り間違いでも、ふざけているのでもありません。この「2本の直線に接する円の描き方」・・・これが弾丸列車のルートを示す鍵となるのです。

右下のスケールが1kmとすると、この図に半径2,500mの円を、2本の直線双方に接するように描くにはどうしたらいいでしょうか。そう弾丸列車の曲線は、半径2,500mだからです。もちろん、ここは数学のコーナーではありませんので、早速ですが描き方は、こちら。

Naisetsu2a

紫色の円が、半径2,500mの円です。円は2本の直線に接していますので、直線から円に移り、再びもう一方の直線に移るように線を引くと、赤色の線のような感じとなります。これは、正に半径2,500mのカーブを描くルートと言えます。

ちなみに、この円の描き方は、下記の通り。(数学に興味のない方は、読み飛ばして頂いて構いません・・・)

1、直線が交差する点(A)に角度を2等分する補助線(黄緑色2本)を引きます。

2、補助線上に半径(2,500m)よりも長い位置に点Bを取ります。

3、点Bから直線に対して垂線(橙色)を引き、交差する点をCとします。

4、点Bから垂線(橙色)上で2,500mの位置を測り、点Dとします。

5、点Dから、補助線に対して平行線(緑色)を引き、直線との交点をEとします。【もう1本の補助線に対しては垂線とも言えます】

6、交点Eから、4で引いた橙色の線に対して平行線(青色)を引き、補助線との交点をFとします。【ここで四角形BDEFは、平行四辺形であり、直線EFは2,500mとなっています。点Fが目的の円の中心となります】

7、点Fから半径2,500mの円を描きます。この円は2直線双方に接します。

Kakogawa01400

そして、こちらは加古川バイパスの地図(図3)です。図2の右側、赤線部分が折れ曲がっている場所の地図で、ここは加古川バイパス唯一のカーブ部分。まず気になるのは、このカーブが本当に新幹線規格になっているのか、つまり半径何メートルなのか、という点・・・そう、カーブ前後の直線区間をそのまま伸ばした線(黒線)を引き、ここに先ほどの円の作図方法を当てはめれば、このカーブの半径が分かるはず。実際に円を描いてみましょう。それが、こちら。

Kakogawa02400

加古川バイパスのカーブ部分、それは見事に、国道250号線(明姫幹線)の播州大橋左岸付近を中心とした、半径2,500mの円の一部となっていました(図4)。これは正に半径2,500mのカーブであり、もちろん弾丸列車、そして東海道新幹線の曲線半径と、まったく同じ規格。

そして、ここで先ほどの図2をよく見ていると、ある1つのことに気付くことができます。加古川バイパスの赤線を西へとまっすぐ伸ばすと、新聞記事に記された別所付近を通り、図中の1番、つまり東阿保チビッコ広場を目指しているように見えるのです。次に、それを確認してみましょう。

Himejiz04

東阿保チビッコ広場周辺の地図(図5)です。図2と同様、1番が東阿保チビッコ広場の位置。矢印として描いた青線が、加古川バイパスを西へまっすぐ延長した直線です。そして図2で確認した通り、1番から2番を結んだ直線ABを西へまっすぐ伸ばすと、亀山駅跡、そしてAコープ玉手店とつながることになります。

??

それがどうしたのか?加古川バイパスを西へ延長した直線(青線)は、1番の東阿保チビッコ広場を正確には指しておらず、北側へ少しずれてしまっている。この図に、一体何の意味があるのか・・・?

そう、確かに青線は、少し北側へずれてしまっています。でも、よく見てみて下さい。この雰囲気、この感じ・・・何かに気付きませんか?

Himeji03400

!?・・・この地図は?

1番と2番を経由するように描かれた1本の道路。これは加古川バイパスです。いえ、こんな所に加古川バイパスはありません。そう、この道路は、図3の加古川バイパスのカーブ部分。その道路部分だけを切り取り、そのままこの地図の上に持ってきて、貼り付けたものなのです。そして貼り付けた加古川バイパスは、見事に図5の2本の直線双方を、カーブで結ぶ形になりました・・・もう、お分かりでしょうか。つまり、2つの直線が交差する角度、位置関係は、先の加古川バイパスと、姫路市内のこの場所とで、まったく同じ、うり二つとなっているのです。

Himejiz05p

そう、ここも加古川パイパスのカーブ部分と同じ、半径2,500mのカーブでラインを描くことができます。加古川パイパスを西に伸ばした先は、当時の新聞記事にあった別所を経由し、さらにその先に半径2,500mのカーブを取ると、森口氏が著作の中で示した用地買収地点「東阿保チビッコ広場」に達する・・・

これは、もう偶然ではありえない。この結果からは、弾丸列車のルート決定作業において、その曲線半径2,500mという位置を決めながら、高速鉄道計画を設計していった、当時の関係者の意図、そして雰囲気が大変強く漂って来るのです。

Himeji07z

全体図(図6)です。各線の色は図2と同じです。2つの半径2,500mの円で、加古川バイパスから姫路市内のルートは見事に1本につながりました。

Up13093003

加古川バイパスから、そのまま直進、

Up13093004

別所付近を通り、

Up13093001

カーブを曲がって、東阿保(あぼ)チビッコ広場を通過、

Up13093002

そのまま直進して新姫路駅と言われる亀山駅跡へ。

Up13093005

そして、さらに直進した玉手交差点付近にも新姫路駅を示唆する記述。姫路市内の構想ルート全線は、果たして、現在どのような姿なのか。次回は、今回考察した加古川から姫路市内へ・・・実際に全てのルートをたどりながら、さらに考察を深めてみたいと思います。

★↓続きは、こちら↓★

姫路市内の弾丸列車建設ルートを訪ねて【第八章検証編】

★前回までの弾丸列車構想については、こちらをどうぞ★

西宮市に残る日本最古の「ねじりまんぽ」と謎の貨物線ー近代化への痕跡ー【序章】

幻の新幹線計画(大阪-神戸)-闇に消えた弾丸列車構想-【第一章】

よみがえる大阪-神戸の弾丸列車構想-知られざる近代化への道-【第二章】

日本最長のトンネル計画-国鉄の描いた弾丸列車構想-【第三章】

混沌と矛盾の新大阪駅-戦時下に隠された弾丸列車構想-【第四章】

阪神間の弾丸列車構想ルート完結編-そして舞台は神戸市へ-【第五章】

神戸の山中に眠る弾丸列車構想-新神戸駅と謎の軍用道路-【第六章】

ラインが結ぶ弾丸列車構想-神戸・明石建設の謎-【第七章】

神戸市内の弾丸列車建設ルートを訪ねて【第七章検証編】

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コメント

いつも楽しみに拝見しています。
当方 高砂市の水利組合関係者です。
阿弥陀小学校北がわの通過予定地に付き投稿いたします。
当方管理のため池「今池」の北端を通過予定でした。
トンネルで抜けると、白陵高校に出ます。
国鉄分割民営化のときに残余の土地が払い下げになったようです。
一部の田には不自然に分筆された地番が残っています。
 約3キロ東方の魚橋地区の鴻池付近には建設省の境界石を見る事が
出来ます。
 貴殿の通過推定線よりやや北側かと思われます。

korowaso 様
初めまして。コメントありがとうございます。

阿弥陀地区の詳細な情報、ありがとうございます。
今池の北側通過、そして鴻池の境界石などの存在、
この地区にも、はっきりとした痕跡があったこと、
大変嬉しく、感激しております。

推定ラインより、少し北側のようですが、
「この辺り」という推定を重ねることになりますので、
現地での痕跡の情報は、大変助かります。

貴重な情報を頂きまして、本当にありがとうございました。
これまでにも、ルート沿線の地区の方々から、
本当に多くの情報を頂いており、
推定位置が多少、動いた部分がございますので、
ぜひ、今回頂いた情報も含めまして、
新大阪-新姫路間の追加情報版として、
また、まとめさせて頂けたらと思います。

現時点で、ルート調査自体は、
姫路から相生、岡山方面へと進んでおりますが、
情報が少しでもございましたら、どうかお知らせください。
今池、鴻池周辺、近いうちに、ぜひ訪問したいと思います。
本当に、ありがとうございました。
今後とも、よろしくお願い致します。

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