明石の水がめ「野々池」と周辺散歩-王塚古墳から林崎疎水へ-
神戸の西隣の街、明石市。明石海峡に面した港町ですが、実は明石市のすぐ北側は神戸市西区。すぐ頭の上を神戸市に押さえられるような形となっており、市域は東西に細長いものとなっています。
こちらは、神戸市西区の玉津地区です。ここは明石の中心部のすぐ北側で、神戸市内と言っても明石駅から4kmも離れていません。まずは、すぐ近くにある王塚古墳へ。
住宅地を抜けると、突然、目の前に濠に囲まれた小山が現れました。こちらが王塚古墳です。濠に囲まれているので、接近することはできません。
という以前に、宮内庁の立て札が。玉津陵墓参考地とあり、立入禁止です。
王塚古墳は全長74mの前方後円墳。欽明天皇の皇女、舎人姫王(とねりのひめみこ)の墓と比定されています。赤石桧笠岡(あかしひかさのおか)とも言われますが、ここで言う赤石とは明石の古い呼び名。
周辺の案内図がありました。下の方には山陽新幹線の線路が。中央に見える王塚古墳から、左上の野々池貯水池、そしてすぐ上に見える宗賢神社までが今回のコース。
王塚古墳から歩くこと少し。野々池貯水池に到着です。
野々池貯水池の標高は40mほど。東側は標高10mほどしかないため、池全体が高台のような地形となっています。写真は、池の堤防から東側、神戸市西区玉津地区を望んだところ。急斜面で落ち込む様子がよく分かります。
野々池貯水池は1周2kmほどあり、ジョギング、ウォーキングコースとしても最適。この池は、明石市民の上水道として管理されています。
そして池の北端には、このような説明板が。この地区は緩やかな丘陵地となっているため、田畑に水を引くことができず、昔から水不足に悩まされてきました。そこで1658年(明暦4年)に明石川の上流から、ここ野々池を終点とする疎水を建設。疎水の効果は絶大で、それから350年以上経った今でも、現役で利用されています。
それが林崎疎水。野々池貯水池から北側の山へと、掘割が続いていました。
秋の休日。黄色に染まる疎水沿いの散歩道。セイタカアワダチソウです。
そして、そのまま山の中へ。
山の中腹を縫うように進んでいきます。上流からの標高差はわずかで、まるで等高線をたどっているかのよう。
しばらく歩くと宗賢神社が見えてきました。疎水は、この神社の裏手を抜け、現在の第二神明道路の下をくぐって、上流の取水地へと続いています。疎水の全長は約5km。
宗賢神社は、あまり手入れもされていなく、ひっそりとしていました。この周辺には同名の宗賢神社が多数存在しています。そう言えば神戸市内には大歳神社も多数存在していますね・・・何か理由がありそうですが。。。
王塚古墳から始まった、疎水までの散策はここまで。小さな貯水池を見ながら、明石川へと戻ります。
地区を流れる用水路脇には、柿が実っていました。何百年も前から、水に苦労し、大切に利用してきた歴史を感じる、明石市北部、そして神戸市西区玉津地区のため池と疎水散策でした。
★今回の地域は下図を参照下さい★
★神戸市垂水区、大歳神社はこちらをどうぞ★
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いそしずさん、こんばんは。
大塚古墳は地元でありながら知りませんでした。
宮内庁まで出てくるとは…。
明石の隣の稲美町は全国で一番ため池の多い町と聞いたことがありますが、野々池は神戸なんですね。
大塚古墳とセットでチャリンコででも行ってみます。
ありがとうございました。
投稿: ちゅた | 2012年11月 4日 (日曜日) 20時42分
ちゅたさん、こんにちは。
今回は、神戸市西区と明石市にまたがる地域を歩いてみました。伊川谷にも疎水の跡が一部残っているそうで、この周辺は水に苦労した歴史が多いようですね。稲美町には親戚がいるので、少し土地勘がありますが、この野々池貯水池周辺は今回初めて歩きました。貯水池自体も一周2kmほどありますので、散策には最適と思います。
野々池貯水池に通じる林崎疎水は、全長5kmほどあり、管理道が並行しているので、マウンテンバイクで走ることも可能かも知れません。。。ただ今回は南側の一部だけの訪問でしたので、全線走行可能な道かどうかはよく分かりません・・・第二神明道路をくぐる地点は、かなり狭いトンネルという情報も聞いたことがあります。訪問の際は、ご注意下さい~^^
投稿: いそしず | 2012年11月 6日 (火曜日) 22時31分