続・幻の街道「徳川道」-鈴蘭台→白川台
梅雨が戻ってきたような天気で、蒸し暑い日が続いています。7月2日、土曜日、朝から曇り気味の1日になりましたが、今回は徳川道の続編ということで、前回歩いた石屋川から鈴蘭台の続きを歩いてみたいと思います。
★前回の徳川道散策は、こちら★
ということで、神戸電鉄粟生線の鈴蘭台西口駅にやってきました。この辺りは、住宅街として地形も変わっていますので、もともとの徳川道が完全な形で残っている訳ではありませんが、一応、この駅の南側を西へ向かう道が徳川道のハイキングコースに指定されています。それでは午前9時40分、西を目指して出発です。
特に案内板もない住宅街の道路を、鈴蘭公園へと歩いていきます。おさらいしておきますと、徳川道は江戸時代の街道だった西国街道(山陽道)の迂回路として、幕末に急遽建設された幻の街道です。完成は1867年12月。翌1868年は明治元年であり、公表されることも使用されることもほとんどないまま、歴史に消えてしまいました。神戸の石屋川から六甲山に入り、明石の大蔵谷で再び合流するまでの約34kmの区間となっています。
鈴蘭公園に突き当たりました。外周道路を迂回しても良いのですが、せっかくなので園内のジョギングコースを歩いて反対側へ抜けてみます。
鈴蘭公園を抜けると、星和台へ向けて幹線道路を歩いていきます。神戸市と言うと、海と山に挟まれた坂の街というイメージが強いのですが、実は市の面積の大部分は、山間部の丘陵地となっており、そこに広がる北区や西区が人口の多くを占めています。
星和台の住宅地に入りました。相変わらず徳川道を示す案内は、何もありません。住宅街の路地を歩いていると、何だか山麓リボンの道を思い出してしまいます。
★山麓リボンの道、全コースはこちら★
山麓リボンの道Ⅰ (西舞子~須磨浦公園)
山麓リボンの道Ⅱ (須磨浦公園~長田)
山麓リボンの道Ⅲ (長田~新神戸)
山麓リボンの道Ⅳ (新神戸~御影)
山麓リボンの道Ⅴ (六甲・御影~甲南山手)
しかし星和台の住宅地の一番北側を抜けると、雰囲気は一変。急に山道に入りました。ここから白川台に抜けるまで、徳川道の雰囲気がよく残っている区間となります。
静かな山の中を行く徳川道。
そして広い公園のような場所に出ました。茅葺き風の家も建っています。実は、ここは国営公園の建設予定地で、この茅葺きの家も関連施設のもの。現在、淡路島にオープンしている国営明石海峡公園の神戸地区として、来年度の開園に向けて準備が進められているとのこと。あまり交通の便が良いとは思えませんが。。。
その公園予定地を右手に、更に徳川道は続きます。このあたりは、通る人も少ないのか、完全に山道の雰囲気。
そして10時35分、三叉路に出ました。標識にやってきた星和台・徳川道の文字が見えます。右に行くと藍那方面、左が目的地の白川台方面です。このコースは「太陽と緑の道」として指定されているようですね。
ということで徳川道でもあり、太陽と緑の道でもある山道を進んでいきます。太陽と緑の道はMTBを楽しむ方が多いようですね。
景色はほとんどありません。森の中の一本道が延々と続いていきます。昨日の雨のせいで、足元も良くありません。
そして突然、舗装道路となり開けた場所に出ました。下を通っているのは阪神高速7号北神戸線です。徳川道のコース部分には跨道橋が架けられ、ちゃんと向こう側に渡れるようになっています。橋の前後部分だけが舗装されており、向こうの山を登れば、再び山道に戻ります。
その跨道橋の部分より。「しあわせの村」とは宗教施設ではなく、神戸市の保養施設の名前です。しあわせの村出口。。。なかなかシュールな景観ですね。
再び山道に入って、白川台へラストスパート。
11:15、舗装道路に出てきました。左の山道がたどって来た徳川道です。そして舗装道路を右に下ると白川地区に出ることができます。太陽と緑の道も右へと下りますが、本来の徳川道は、この舗装道路を、この写真と反対の方向へ進まなくてはなりません。
その徳川道を進んで行くと、また開けた場所に出ました。再び高速道路の切り通しです。今度は阪神高速31号神戸山手線。ここは2003年の8月に開通した新しい道で、2010年12月には3号神戸線につながる湊川JCTまで開通して便利になりました。ここも跨道橋が架けられており、向こう側に渡ることができますが、また舗装道路を上まで登らなくてはなりません。
その先は再び山道となって、あとは白川へと下る一方。しかし高速道路の切り通しで余計なアップダウンが出来てしまった上に、手前の分岐部分で舗装道路を下っても白川へと出れることから、この区間を歩く人は、ほとんどいないようです。この区間は更に荒れた山道となっていました。
そして突然、森が切れました。白川地区に到着です。道が写ってないように見えますが、正面の草地部分が徳川道。やはり、こちらを歩く人は、ほとんどないようですね^^; ここは神戸市須磨区になりますが、正面の白川台に立ち並ぶマンション群がなければ、とても市内とは思えない光景。
大歳神社をかすめて路地を進めば、白川台のバス停までは、もう少し。沿道には美しいアジサイをたくさん見ることが出来ました。アジサイは神戸の「市の花」ですね。
郷土記念物にも指定されている白川の石抱きカヤなどを見に、寄り道したりしていましたので少し遅くなりましたが、出発から2時間20分後の12時ちょうどに白川台のバス停に無事到着です。ここからは名谷駅行き【市バス】が15分毎に運転されています。この周辺も、見所が多そうなのですが、これはまた別の機会に。
この先、徳川道は一部区間除いて、再び住宅地の中に消えており追跡は困難となっています。六甲山を越える登山道として残された前区間とは異なり、人口150万人の都市の中で、丘陵地部分は住宅地として切り開かれ、大きく姿を変えることになりました。しかしその住宅密集地の裏側に、今なお、その痕跡を伝える幻の街道でした。
★コースタイム★
09:40 鈴蘭台西口駅(0.0km)
09:50 鈴蘭公園(0.6km)
10:15 星和台北側(徳川道入口)(2.8km)
10:35 太陽と緑の道出合(三叉路)(4.2km)
11:05 阪神高速7号北神戸線跨道橋(6.1km)
11:20 阪神高速31号神戸山手線跨道橋(7.4km)
11:35 大歳神社(白川地区)(8.2km)
寄り道-白川の石抱きカヤ-
12:00 白川台バス停(10.0km※)
※寄り道しなければ8.8km地点になります※
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コメント
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いそしずさん、こんばんは。
この徳川道、太陽と緑の道はずいぶん前から行きたいと思っていたコースです。
手元にある愛用の「文化・レクリエーションマップ」(神戸市が平成元年に発行)に載っています。
でも、現在は山道はほとんど残っていないものとの思い込みで出かけていません。
MTBでも良さそうなので今度出掛けて見ます~。
投稿: ちゅた | 2011年7月 4日 (月曜日) 23時02分
ちゅたさん、こんにちは。
太陽と緑の道は、徳川道と絡むこのあたりは、高速道路を越える場所以外、森の中を行く静かなオフロードでした。訪問日は雨のせいで、多数のぬかるみが出来ており、MTBの方は走行に苦労していましたが、乾いていましたら、なかなかいいコースだと思います。白川付近の31号神戸山手線を越える区間は回避された方が、いいかも知れません。
太陽と緑の道は、たくさんのコースがあるようですね。総延長は170km以上にも及ぶようで、奥が深そうです。MTBは持っていませんので、ハイキングになるとは思いますが、また他の区間も訪ねてみたいと思います^^
投稿: いそしず | 2011年7月 6日 (水曜日) 13時14分
妙法寺からスタートして白川断層を見てあいの里公園まで徳川道を歩きました。帰路はあいの里公園からシャトルバスに乗りしやわせの村、しやわせの村からシャトルバスに乗り妙法寺に戻る。途中しやわせの村で昼食とりました。徳川道は林道がすがすがしく、疲れを忘れることが出来ました。
投稿: 江藤多美子 | 2021年2月21日 (日曜日) 17時50分