西日光「耕三寺」と純白の丘
しまなみ海道サイクリングの途中で立ち寄ったのは西日光とも呼ばれる「耕三寺」。
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その境内は他の寺院とは趣きが少々異なり、独特の雰囲気が漂います。さっそく内部を訪ねてみることにしました。
ということで耕三寺に到着しました。入場料金は1,200円と寺としては高いと感じる値段です。というのも耕三寺は全体が博物館法で定められた正式な「博物館」。スタンプラリーも開催されていて、5つ全部集めると記念の絵葉書をもらえるとのこと。それでは耕三寺博物館でもある、この寺院めぐりをスタートです。
耕三寺は、この地に生まれた実業家「金本福松」によって作られた寺。幼くして父親を亡くしながら若くして実業家として成功した彼は、この島で暮らす母親のために尽くしたものの、その母も死亡すると出家して僧侶となり、この地に30年をかけて一大伽藍を作り上げました。
中でも有名なのは孝養門。どこかで見たような雰囲気ですね。
全景はこちら。そう、これは日光東照宮の陽明門とそっくり。
★参考写真★
こちらが本物(!?)の陽明門です。
※2009年5月いそしず撮影。この時の模様は、当ブログ記事としては掲載しておりませんが、ご了承下さい。
一方、こちらは孝養門の彫刻です。門の大きさ、形は陽明門と寸分違わず同じに作られていますが、彫刻は独自のものが施されています。建設当時、その陽明門の設計図面を入手するのは大変だったとか。
そして、その近くには千仏洞地獄峡が口を開けていました。
全長は約350m。富士山の溶岩と浅間山の焼石で作られたという洞窟です。入り組んだ通路には地獄絵図が掲げられ、その後千体仏の空間へと続いていきます。
厳かな雰囲気漂う、地下洞屈。。。
しかし地上に出ると、すぐに未来心の丘に出ました。先ほどまでと対照的な、まぶしいまでの真っ白な世界に、不思議で強烈な違和感が。
カフェも石造り。瀬戸というより、もはや外国の風景。
それもそのはず、この石はイタリアから運ばれた白大理石で出来ているのです。
頂上に立つ白大理石の塔と太陽。
丸く切り抜かれた穴からは、瀬戸の風景が写真のように見ることができました。
というか、えーと、ここは寺院の中でしたよね。。。^^;。
先に紹介した日光東照宮の陽明門や富士山の溶岩洞窟の他にも、山門は京都御所、中門は法隆寺、五重塔は室生寺で本堂は平等院鳳凰堂、他にも石山寺に新薬師寺、四天王寺・・・
耕三寺は全国の有名どころ全てを模して作られた不思議な寺です。そして、更にはこのイタリアの大理石の丘も。
両親の供養と島の振興のためにと、昭和10年頃から一代で築き上げられた耕三寺。その歴史は、多くの年月と伝統を重ねた全国の寺院から見れば、あまりにも浅く異質なもの。しかし現在では、その多くの建築物が文化財に指定され、そして間違いなく、島の、いえこの地方全体の観光名所と言える存在になりました。
嘘から出た誠。模造から出た本物と言える、耕三寺「博物館」散策でした。
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